INTERVIEW
福島 真太朗 〈2015年入社〉
Shintaro FukushimaInfoTech
主査
博士(情報理工学)
データの解析と活用から生まれる新たなビジネスが、
これからのコネクティッド社会をつくりあげていく

データサイエンティストが求められる新しいステージ
大学院時代から現在に至るまで、一貫して“数理”と“計算機”がキーワード。前職では、電機メーカーおよびそのシンクタンクで、金融工学、機械学習、データマイニング、知識表現などの研究開発、コンサルティングに従事していました。しかし、そこでは幅広い分野の多様なデータにふれることができる一方で、データの解析にとどまることが多く、その後の活用について携わる機会も少なく、どこか物足りなさがあったのも事実です。
そんな中、ある時「トヨタ自動車のこれからのライバルはIT企業である」という記事を読みました。これからの自動車業界は、自動運転やコネクティッドカー、MaaS(Mobility asa Service)など、技術としてはもちろん、ビジネスとしても面白くなりそうだと直感。これらを実現するためには、各種データの解析が必要不可欠であり、さらに自らがその活用のフィールドを発展させるパイオニアとなり、新たな分野を切り拓いていくことで、データ解析者としてのやりがいも得ることができるとの期待が生まれました。

解析されたデータの使い方も検討・提案する
現在は、メンバーとともに車両から収集されるCANデータ(※)、位置情報データ、画像データの解析および、その活用に携わっています。具体的にはこれらのデータを解析することで、安全機能の作動状況、危険運転が発生する場所・日時・気象条件・周辺状況などを数値化。お客様に価値をお届けするため、次期車両の設計やサービス・システム開発に利用することができます。また業務的にも、単にデータを解析するだけに留まらず、他のチームとも連携しながら、それをどのように活かすべきなのかといった検討に携わることにもやりがいを感じています。今後は、こうした現場の課題に向き合い続けるとともに、一方でそれをある程度抽象化した上での研究開発も推進し、相互にフィードバックさせる取り組みを展開していきたいと考えています。 ※Controller Area Network。運転操作や車両挙動などを記録した時系列センサーデータ

データ解析が切り拓く未来
「数理の技術は、技術者だけでなく、経営者にまで響く」と言われることがあります。これをトヨタ自動車に当てはめると、データの解析や活用が単なる問題解決の手段にとどまらず、経営や戦略の意思決定につながる技術要素であることを意味します。来たるべきコネクティッドの社会において、数理的なバックグラウンドに基づいてさまざまなデータを解析することが、新たなサービスや価値の創造につながることは間違いありません。